壹萬壹阡壹之本
QUAE SIT SAPIENTIA DISCE LEGENDO
2006.04.30 Sunday
「私 デザイン」石岡 瑛子
「私 デザイン」石岡 瑛子
400 p 講談社
目次
カンヌ国際映画祭芸術貢献賞受賞―映画「MISHIMA」
グラミー賞受賞―マイルス・デイヴィス「TUTU」
ニューヨーク批評家協会賞受賞―ブロードウェイ演劇「M.バタフライ」
「映像の肉体と意志―レニ・リーフェンシュタール」展
アカデミー賞コスチュームデザイン賞受賞―映画「ドラキュラ(Bram Stoker’s Dracula)」
ブロードウェイプロダクション「デビッド・カッパーフィールドの夢と悪夢」
オペラ「忠臣蔵」
オペラ「ニーベルングの指環」四部作
映画「ザ・セル」
ミュージックビデオ―ビョーク「COCOON」
シルク・ド・ソレイユ「VAREKAI」
ソルトレイク冬季オリンピック
石岡瑛子氏の素晴らしい自叙伝。
スゴイすごすぎ。
読んで面白かったし、こういう人が 世界で 活躍しているのかと思うと 日本人として 嬉しくなる。彼女も書いているが、そんなつもりはなくても 初めての日本人と聞くと、日の丸を 胸につけて 仕事をしている感覚に なるとか。
それぞれの章一つだけでも すごい話だ。
日本では上映できなかった、「MISIMA」の映画も しらなかったし、マイルスの話もすごかった。
さらに レニ・リーフェンシュタールとは 何者か知らなかった。
あの 戦前のベルリン オリンピック「勝利の祭典」「美の祭典」で有名な『オリンピア』を撮った女性監督その人だった。
私は、女性であることは知っていたがその程度で、名前まで知らなかったのだ。
ああ、あの人…
そのレニさんが100歳まで生きて、その豊かな才能で現役で写真を撮り続けていたことを 知らなかった。そのレニさんの展覧会をプロデュースする話もすごかった。
さらに、見ていない映画は 見たいと思うし、見たかもしれない映画はさらにもう一度 そのストーリーではなく 舞台背景や衣装に目を向けて 見てみたい。とにかく読めば読むほど面白い。
これが小説でなく自叙伝だなんて…
事実に勝るものはないと実感。
ただ、残念ながら、そのデザインが 私の感覚に あうかどうかは 別だけど。
でも それは それとして、世界が 受け入れる 彼女のその才能に 脱帽。
本当に 面白かった。読んでよかった。
2006.04.27 Thursday
「41歳からの哲学」池田 晶子
「41歳からの哲学」池田 晶子
175 p 新潮社
目次
第1章 平和な時でも人は死ぬ
第2章 いったい人は、何のために何をしているのか
第3章 考えることに終わりはない
第5章 信じなくても救われる
「週刊新潮」で2003年5月から2004年6月まで「死に方上手」というタイトルで 連載したものを 収録した1冊。
先日読んだ14歳に 呼応したものと 思ったら それは、本屋の思う壺。
うまいやり方に はまってしまった。
14歳は、考え方らしきものを、グダグダ 書いてあって、なんだ かうまく言っているようなそうでないようなそんな本だったが、さすがに こちらは 週刊誌に 連載してあるだけあって、万人向けで お手軽な読み物だった。
しかも、今心にひっかっかている死についての話が多かったから余計にすんなり心に残った。
そういう意味では やはり「41歳からの」なんだろう。死なんて 若い頃は 当分先のことだし 考える気にも ならないだろうか。
40代になると ソロソロ そういうことも 考え始める 年代だろうしね。
14よりも うんとわかりやすく 一つ一つが 短いので 時間つぶしの本には もってこいだった。
2006.04.25 Tuesday
「鉄道ひとつばなし」原 武史
「鉄道ひとつばなし」原 武史
281 p 講談社
目次
序章 思索の源泉としての鉄道
第1章 天皇と鉄道
第2章 鉄道をめぐる人物論
第3章 急行・特急・通勤快速
第4章 歴史の駆動車としての鉄道
第5章 私の鉄道体験記
第6章 駅・駅の名・駅のそば
第7章 風俗と風景
第8章 鉄道比較文化論
東京に出ずらい都道府県ランキング。
「谷」「町」の漢字の詠み方。
海の見える車窓十選。など
鉄道オタクの本ではないが 書いている本人は かなりのオタクに違いない。
色々 面白く読める。
近くの私鉄の話で、知らないことも随分ある。
乗ってみたくなる。
しかし 女性に 鉄道オタクが 生まれないのは、子供時代に 憧れる 運転手や 駅長に 女性が 少ないからだと思う。
もし半数が 女性なら きっと 鉄道オタクに 嵌る女性も 多くいるに 違いないと 思うのだが それって変?
2006.04.22 Saturday
「14歳からの哲学―考えるための教科書」池田 晶子
「14歳からの哲学―考えるための教科書」池田 晶子
209 p トランスビュー
目次
14歳からの哲学A
14歳からの哲学B
17歳からの哲学
「考える」のための教科書
つ 疲れた。
以前 この人の本を ずいぶん読んだ。
特に これという感想は なかったが、女性で 哲学を書く人を 知らなかったので、面白いと 思って読んだのだが、ある日、ネット上で、この人が、鼻持ちならない女だ と書かれていたのを 読んでからどうも、素直になれなくなった。
その話は 本当かどうかは わからないけど、一同植え付けられた印象は なかなかぬぐえない。
どうも まだこの人に 偏見があるからなのか、素直に話が 入ってこないのだ。
本当に この人はこんなことを 語っているが…
そうだろうか そんなことを 言ってもいいのか?と ついつい、反論してしまう私が いるので、話が 素直に入ってこないのだ。
これを14歳に読ませて 果たして どんな成果を 期待しようというのだろうか?
私にはわからない。
装丁が、クラフトエヴィング商會だ〜。
2006.04.21 Friday
「こぐこぐ自転車」伊藤 礼
「こぐこぐ自転車」伊藤 礼
320 p 平凡社
目次
自転車に関するさまざまな見解
都内走行の巻
房州サイクリングに出かけて雨で挫折したこと
碓氷峠攻略をめざした長い一日の話
自転車が順繰りに増えて六台になった話
北海道自転車旅行の巻
あとがき
古希・還暦のお仲間を引き連れ北海道自転車旅行
この伊藤礼さんは あの整さんの息子さん。
私なんか 伊藤整さんは「チャタレー夫人」しか連想できないけど、やっぱり息子である、礼さんも 大学教授で 翻訳家でもあったようだ。すでに 大学を退官し悠々自適のお方。
元来 エッセイは好きではないが この本は もう笑いっぱなし?面白くて 一気読みしてしまった。
何が といってページを くるたび 私のツボに 入ったというのかな。
素敵なオジサマ連が、自転車に 嵌り、ついには みんなで 北海道に ツーリング。
オジサマというよりも オジイサマかな。
はじめは、ひょっとして奥様が、お話しを 聞いてくれないからこの本を お書きになったのかと思った。
だって、またなの?もう聞き飽きましたわとか言われてるんじゃないかと…
だって 古希近い だんな様が 妄想はするは、悪態はつくは、自転車は何台も買うは、付いてけません。お金持ちなんですね。10万もする自転車を パッと買って帰るなんて。
さらに、乗ってずっこけてくるは、次々自転車を買いまくってくるは、果ては お友達とツーリング。まるで 少年のような…
それにしても、この人は 文章がうまい。引き込まれる。自分も一緒に自転車に乗っている気がするし、自転車が欲しくなるし、年取っても楽しくいけるとも思えるし、
あとがきに、書名考察で、
「古希老人自転車日記」「突然目覚めてサイクリスト」「元気自転車」「新サイクリスト読本」「徘徊自転車」「天国は自転車で」
もうこれ読んだだけで笑ってしまう。
「こぐこぐ自転車」が「ちゃぐちゃぐ馬っこ」に似てるとかいいだしてるし〜
特に、うらやましく思ったのは 定年後みんなで 遊べる お友達が 存在すること。
おそらくは 皆様 それなりのお方 ではないかと 拝察する。
ともかく お年を 召した方が お元気なこと。
2006.04.20 Thursday
「アリス・B.トクラスの料理読本―ガートルード・スタインのパリの食卓」アリス・B. トクラス
「アリス・B.トクラスの料理読本―ガートルード・スタインのパリの食卓」アリス・B. トクラス 、高橋 雄一郎 、金関 いな 訳
254 p 集英社
目次
芸術家の食卓
フランス料理の伝統
キッチンの殺人
フランスのお宅でごちそうになった料理のかずかず
ポーリーン叔母さんとレイディ・ゴダイヴァに乗っていった料理の話
1934年と1935年に講演旅行をしたアメリカ合衆国の食事
ビリニャンの菜園
アリス・B.トクラスが、恋人ガートルード・スタインのために、つくった料理、二人の食卓を賑わわせた料理の数々が 収められている。
二人の生活を綴るエッセイと、美食家をうならせるレシピの組み合わせ。
阿川氏の『オペラ・スープ』に出てきた本。
しょっぱなから ピカソのためのスズキ料理だもんなぁ。参っちゃう。
それでも、手元に残しておきたい レシピが ずいぶんあった。
写真はない。
読んで だいたい想像がつくもの、全く想像のつかないもの さまざま。
何しろ西洋野菜。売っちゃいないわ。 。
2006.04.19 Wednesday
「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」安部 司
「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」安部 司
244 p 東洋経済新報社
目次
序章 「食品添加物の神様」と言われるまで
第1章 食品添加物が大量に使われている加工食品
第2章 食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?
第3章 私たちに見えない、知りようのない食品添加物がこんなにある
第4章 今日あなたが口にした食品添加物
第5章 食品添加物で子どもたちの舌が壊れていく!
第6章 未来をどう生きるか
添加物のトップセールスマンだった、著者。娘の誕生日、自分のかかわってきた、ミートボールを 4歳の娘が うれしそうにほおばる見た時、著者は反射的に皿を取り上げ、中身を捨てた。「生涯の仕事」と思っていた添加物セールスが「死の商人と同じ穴のむじな」に思え会社を辞めた。
ホラー小説よりもぞっとする。
主婦以外にも コンビニなどでで、食事を買う人、加工食品を買う人 必読。
子供が小さいときは 結構 気をつけ ほとんど手作りだったが、大きく なったらまあいいかと、ドレッシングも 買っていたっけ。
やっぱり まずいなこれは。
食生活 昔に戻そうと反省。
2006.04.17 Monday
「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン シン
「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」サイモン シン 、青木 薫 訳
509 p 新潮社
目次
第1章 スコットランド女王メアリーの暗号
第2章 解読不能の暗号
第3章 暗号機の誕生
第4章 エニグマの解読
第5章 言葉の壁
第6章 アリスとボブは鍵を公開する
第7章 プリティー・グッド・プライバシー
第8章 未来への量子ジャンプ
『The Code Book』の邦訳
英国女王エリザベス1世暗殺に関する暗号文書、鉄仮面、埋蔵金のありか、大戦時の暗号等。暗号の歴史がよく分かる。
第一次大戦が、化学(マスタードガス)。第二次大戦が物理(原爆)。そして もし起こるとすれば 第三次大戦は 数学といわれているらしい。
あの第二次世界大戦で、アメリカの通信士に ナヴァホ族の人が使われ、ナヴァホの言葉(難解なので聞いてもわからない、研究者が少なく その研究者には、アメリカ人しかいなかったらしい)で通信していたなんて知らなかった。過去だけでなく現代においても、知らないことが多く面白かった。
サイモンシンの本は、以前、『フェルマーの最終定理』を読んだが、これが 面白かったので、『暗号解読』を読む気になったが 間違いなかった。
翻訳がうまいのもあるが、科学史的に 歴史が 多く語られ、素人にも飽きさせない話に構成されていた。
わかりやすく面白い。
2006.04.16 Sunday
「「シャキッと炒める」を英語で言うと」加藤 裕子
「「シャキッと炒める」を英語で言うと」加藤 裕子
134 p 幻冬舎
女性誌の編集者だった私が、突如 フリーになって、アメリカのベジタリアン団体に籍を置き 取材活動する。
アメリカ滞在中の6か月を つづったこのエッセイ。
英語の本か、料理の本かと 思ったらいけない。
単なる留学物。
もしも 小説家ならもっと 面白くこの経験が 生かせたのに残念。
かいつまんで書かれてあるので、私には、ちょっと中途半端だった。
ただ 英語の表現て やっぱり難しいね。
ちなみに、表題の疑問に答えると、stir-fry(中華パンで強火でいためる)こういう言い方しかないそうで、要するに英語ではこういう表現は、しないってことですね。
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