壹萬壹阡壹之本
QUAE SIT SAPIENTIA DISCE LEGENDO
2006.08.25 Friday
「おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生 」石井 妙子
「おそめ―伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生 」石井 妙子
366p 洋泉社
「夜の蝶」のモデルといわれる 元祇園の人気芸妓だった女(ひと)の 数奇にして華麗な半生。
ノンフィクション。
昔の文壇の有名人がみんなで押しかけたバーのマダム。
それだけでもすごいが、やはり時代も スゴかったんだな といえる。先日 読んだ 白洲次郎さん なんか も 贔屓にしていたらしい。
夜の蝶という言葉が生まれたのが川口松太郎の「夜の蝶」という作品からだとは知らなかった。
この映画は 山本富士子と京マチ子の主演の映画で おそめを山本富士子が演じていた。
見た覚えがある。
最も 文学作品に彼女をのモデルした作品は いくつもあるらしいが どれも、本当の姿とはいえないみたい。
イッキでした。
面白かった。
事実は小説より奇なり。
2006.08.22 Tuesday
「うらなり」小林 信彦
「うらなり」小林 信彦
202p文藝春秋
目次
うらなり
創作ノート
漱石の代表作「坊っちゃん」の登場人物、うらなり。
マドンナに思いを残しながら、新任地へと赴いた彼のその後の話。
漱石の描いた「坊ちゃん」が 2006年で 100年だったらしい。
「坊ちゃん」は 小林 信彦さんが 読んだと言う小学6年に たぶん 私も 読んだ気がする。
だから 詳細な部分は すっかり忘れている。
ただ、私は 舞台とされる 松山に住んでいたので、それなりに思い入れはある。
私が、住んでいたのは 道後で、あの坊ちゃん列車と いわれる市内を走る電車で 高校に通った。
体育の高齢な先生が、坊ちゃんの学校と私彼の通った学校が喧嘩をしたことになっていると言う話をしていた。
彼が言うには、松山東高と師範学校(今の愛媛大学)だそうだ。真偽はともかく 面白おかしく話をしておられたのを思い出す。
さらに 私は 宮崎からの転校生。
うらなりの行く 日向・延岡は 宮崎だ。
なんか縁があるというか。
さて本題だが 「うらなり」はやはり「うらなり」だ。
まだヤマアラシのほうが 楽しい話に なりそうだが それだと 代わり映えしないんでしょうねぇ。
それにしても 坊ちゃんに、名前がなかったのには驚いた。
こんな風に坊ちゃんを見てみたら面白い。
ただ マドンナを ここまで 嫌な女に しなくっても いいじゃないかとは 思う。
2006.08.22 Tuesday
「そして殺人者は野に放たれる」 日垣 隆
「そして殺人者は野に放たれる」 日垣 隆
253p 新潮社
目次
通り魔に子を殺された母の声を
覚醒剤使用中の殺人ゆえ刑を減軽す
迷走する「責任能力」認定
不起訴になった予告殺人
精神鑑定は思考停止である
二つの騒音殺人、死刑と不起訴の間
分裂病と犯罪の不幸な出合い
日本に異常な犯罪者はいない?
闇に消える暗殺とハイジャック
心神耗弱こそ諸悪の根源
判決に満悦した通り魔たち
刑法四〇条が削除された理由
日本は酔っ払い犯罪者天国である
もう一つの心神喪失規定「準強姦」
女性教祖「妄想」への断罪
家族殺しが無罪になる国
人格障害者という鬼門を剥ぐ
古今東西「乱心」考
「心神喪失」の名のもと、罪に問われぬヤツがいる!
第三回新潮ドキュメント賞受賞
自分の テリトリーには こういった事件が 入り込んでいないので 平然とできるが、読んでいて 腹が立つし 情けなくなるし 怒りを覚える。
人殺しなんて多かれ少なかれ 気がおかしいと思っている。
精神異常者 だからといって 罪を許すのはもっとおかしい。
被害者の(遺族の)ことを 考えると、本を 読むのも辛い。しかしこれが現実なのか。
⇒ gimon (04/26)
⇒ june (04/04)
⇒ ヤマボウシ (01/17)
⇒ juzji (01/15)
⇒ ヤマボウシ (12/26)
⇒ 時雨 (12/24)
⇒ えびすけ (12/19)
⇒ やぎっちょ (12/06)
⇒ ヤマボウシ (11/10)
⇒ くまま (11/01)