壹萬壹阡壹之本
QUAE SIT SAPIENTIA DISCE LEGENDO
2006.10.31 Tuesday
「ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争」高木 徹
「ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争」高木 徹
319p講談社
2000年10月29日のNHKスペシャル「民族浄化」の番組で、放送できなかった取材成果や最新情報。
PR戦略の重要性。
PRとは、Publiic Relationsの略。
あの 旧ユーゴスラビア連邦での内戦を、ボスヌアヘルツェゴビナが、アメリカのPR会社の手を借りて、戦争として国際的に認めさせ、さらに、 何を 行ったかが 詳細に 書かれている。
アメリカのPR会社ってすごい。
これだと 事件事故などで 会社の存亡が 危ぶまれるようなマスコミ取材での態度、取材の受け方をちょっと、変える事出によって 世論が また違った、態度に なるだろうというのが よくわかる。
危機管理とも 切っては切り離せないような気が する。
それは、会社だけでなく 政治家にも 必要かもしれない。
面白かった。
2006.10.30 Monday
「素数の音楽 」マーカス・デュ・ソートイ
「素数の音楽 」マーカス・デュ・ソートイ
478p 新潮社
リーマン予想の謎に迫る天才数学者の顔
新潮クレスト・ブックス
『まるで 地球上の どこの出の どの人種か、どのような宗派か、男か女か、いくつぐらいか、どの時代か(過去の数学者も未来の数学者も私たちの同僚です)に 関係なく みんなで 自分たちだけの国を 作って、化学や芸術の中で、最も美しいものにその身をささげているようなもの。』ジュリア・ロビンソンの言葉。
リーマン予想は、素数の話で、どこに 素数が現れるかということを突き詰めていく。
その素数は 音楽に分解できるということを 数学的に、表現すると、リーマン予想になる。 ということで本書の題名がこうなるということか。
ところで、ζ関数なんて知らないよ〜聞いたことも ないというのは 不勉強な学生だったからなのか?なんか悔しい。しかし 本書を 読んでいたら 難解なはずの数学の話が なるほどと 思ってしまうのが 怖い。
◎あのニールス・ボーアの弟、数学者のハロルド・ボーアは、1908年オリンピックで デンマークのサッカーの中心選手として 銀メダルを獲得した。
(トリビア的だ。)
科学史って人間味あふれる 科学者たちが登場するから面白いが本書ではそれがたっぷり 味わえる。
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」も 面白かったけど これも負けない。
それぞれの数列で 9番目に現れるのは何か
1,3,6,10,15
1,1,2,3,5,8,13
1,2,5,7,11,15,22,30
本書では 9番目ではなかったけど、簡単にしたら まあそういうこと。さて こんなの簡単と思って やったら、三番目は 解けない。悔しくて結局最後まで読んでしまった。
つまりは この本で 言うリーマン予想を考える上での重要なヒントだったわけだ。凡人には 解けないわけです。聞けば へ〜なるほどと思ってしまう。
このことは 本書の最初のほうで出てくるが、三番目の数列は、後でのお楽しみなんて書いてあって答えがない。
最後まで 読んであれ?で答えはなんだったの なんて調子で、子供たちに聞いた。
この数列 解ける?って。すかさず 検索したらってことで、そこ に書かれた 手がかり?「ラマヌジャン」を検索。で こうらしいよ〜と教えてくれた。ああ、それなら読んだよ。図も載ってたわ〜とページを 開いたら ちゃんと『これが その 数列だった』という一行が 書いてあった。
実は、私が 途中で、答えの『これが その 数列だった』という一行を 読み飛ばしていたらしい。
お母さん 本ちゃんと 読んでないじゃないか〜という非難轟々。
でも 聞いてみて よかった。
答えが わからないままに ならなくて。
2006.10.26 Thursday
「火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者」オリヴァー サックス
2006.10.25 Wednesday
「三四郎はそれから門を出た」三浦 しをん
2006.10.25 Wednesday
「タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代 」オリヴァー サックス
「タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代 」オリヴァー サックス
386p 早川書房
脳神経科医オリヴァー・サックスが 化学に 心酔した少年時代を 振り返った エッセイ集。
本書のテーマは 無機化学。
少年時代のオリヴァー サックス の家の様子が よくわかる。途中 科学史的な話も あり、興味深い話も 多く語られていた。
例えば、メンデレーフの話で、彼の才能に気がついた母親がシベリアから モスクワまで 学校に出すために 連れて行ったとか、彼が 化学者で、音楽家であったらしく、あの作曲家のボロディンと 親友だったとか 知らなかった逸話も。
そんな部分を 読むだけでも楽しい。
訳者も 書いているように 作者は、うらやましい、そして素敵な少年時代を送っている。
母親が話す、結晶構造の話然り、オバの話す、黄金率、フィボナッチ数列、然り。
こんな、家庭環境で 理科や数学が 嫌いになるはずがない。
もちろん タングステン工場の オジさんもね。
ところで、そのおじさんの話したこと。『ライムライト』というのは、かつて、舞台照明に使われていた、酸化カルシウムつまり石灰(ライム)が その名の 名残だって。知らなかった。
2006.10.24 Tuesday
「失楽園の向こう側 」橋本 治
「失楽園の向こう側 」橋本 治
355p 小学館
目次
1 「赤い薬」を飲むと
2 もう少し面倒な話を―
3 「三十代の若者」について
4 みんな「いい人」の社会
5 自己主張について
6 「愛」のために丸を二つか三つ描いてみよう
7 三人の友人
8 塔の中の王子さま
9 手技の知性、足技の知性
組織論、存在論、恋愛論など「ビッグコミックスペリオール」連載されたものを 抜粋再編成したもの。
がぴ〜ん
失楽園て 渡辺さんのでは なかったのね。
そりゃ あそうさね。
なんて 馬鹿なの、私。だってさ〜 橋本といえば、「桃尻娘」だし〜なんて 言う あほな連想か。
見事にはずれ。
ミルトンの『失楽園』だよね〜
と言うことで 結構まともな話だったわけです。
2006.10.22 Sunday
「空白の叫び 下 」貫井 徳郎
「空白の叫び 下 」貫井 徳郎
572p 小学館
殺人を犯している三人の少年は 更生できるのか。後悔はしていない。罪を償ったとも思っていない。
ひきつけられるように卒院後 顔を合わせる。
罪の大きさよりも早い社会への復帰のために、14歳中学生と言う 設定にしたのかもしれない。
皆 大人びていて、高校生でも あるいは成人であっても 成り立つような話だった。
気になるのは 母親が いないことだ。いや 父親もいない。
特に 女は子供を産んでもいない 女が養育している。
それに、久藤の両親にも 愛情が感じられない。
出てくる子は みんな家族の愛情の感じられない家庭の子ばかりだ。いびつな世界。しかしなぁ。
私は、久藤の唯一の友人 水嶋がすごく気になった。
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